自分の体を病院任せにしないようにしましょう

病院とかかりつけ医の選び方。

Last update:2014/9/18

患者力。

患者力とは、「自分と自分の大切な人が健康に暮らすために、納得のいく治療を受けることができる力」です。 この力を向上させることによって、賢い患者に近づくことができると考えています。 患者力を上げていくために、私たちはどんな行動をとればいいのでしょうか?

自分の体と病気に責任を持ち、医師まかせにしない

  • 「先生におまかせします」といった受け身の態度では、治療や手術が終わった後に「こんなはずではなかった」と、医療トラブルの原因にもなりかねませんし、よい医療を受けることはできません。
  • まず、あなた自身が自分の体と病気に対する責任を自覚することが、納得のいく治療を受けるための第一歩といえます。では、「自分の体と病気に責任を持つ」ために、私たちはどんな行動をとればいいのでしょう。
  • 一つめは、診察してくれる医師に自分が感じている自覚症状と病歴を正確に伝えることです。あなたからの訴えが正確でなければ、医師は診断するときに迷ってしまいます。
  • 二つめは、症状が改善しても悪化しても治療を受けた後の変化について、医師にきちんと情報提供しましょう。患者と医師の二人三脚で治していくのだという気持ちを持つうえでも必要な行動です。三つめは、治療方法を決めるのはあなた自身なので、治療の効果や危険性についても医師とよく相談することです。そして、医療とは不確実なものであり、限界もあるということを認識したうえで、妥協も含め、自分が納得できる方法を見つけることが大切でしょう。

一人で悩まず、誰かに相談する

一人で悩んでいても不安が募るばかりで問題は一向に解決しません。こんなときは誰かに相談するようにしましょう。それはあなたの思いを聞いてもらうことにもつながります。
  • 自分の言葉で話すことにより、それまで漠然としていた不安が明確になり、今後どのようにすればよいのか、自分なりの答えが自然に見つけられるものです。家族や友人など周りに相談できる人がいない場合は、病院の医療相談室や医療関連団体が主宰する電話相談なども利用しましょう。
  • とにかく、一人で悩まないようにすることが賢い患者への第一歩です。昨今は、新聞、雑誌、テレビ、インターネットなど、さまざまな媒体を通して医療情報が簡単に入手できる時代になりました。しかし、それらの医療情報を手に入れても、自分にとってどのような有益性があるのか、またそれを利用できるのかどうかが判断できなければ次の行動に移すことはできません。いくつかの情報を見比べて迷ったときも、誰かに相談することが大切ですよ。将来のことを考えて早めに相談出来る場所なども調べておいた方が万が一の時に安心です。
どのような医療を受けたいのかを考える
あなたが主体的に治療にかかわるためには、「自分がどのような医療を受けたいのか」について十分に考えることが不可欠です。その際、具体的な技術まで限定する必要はありません。ここで肝心なのは、あなた自身の生き方や価値観にもとづいた希望を明確にすることです。それがあれば、自分に合った「いい病院」や「いい医師」を探す手がかりにもなりますし、治療を受けるときに医師にしっかり伝えることにより、医師もあなたの価値観を尊重しながら治療法を選択し、計画を立ててくれると思います。
伝えたいことはメモにまとめる

患者の賢い行動としては、まず医療者に「伝える」ことが求められます。しかし、相手は忙しい医師ですから、何よりも要領よく伝える工夫が必要です。

その一つの方法として「伝えたいことはメモにまとめ」て準備しましょう。メモにまとめることにより、患者も自分の体調や病状の変化に気づきやすくなり、疑問に感じていることも明らかになるという利点もあります。

慢性疾患を抱える患者さんの中には、日々の症状を書き込んだスケジュール帳(マイ・カルテ)を診察室に持ち込んで主治医に説明する人もいます。自分でカルテを作ってみることは、体や病気に対する理解をおのずと深め、治療に参加する意欲を育むことにもつながるためおすすめです。

きちんと説明を聞き、わからないことは質問する

「わかったつもりにならないこと」が賢い患者の条件の一つです。

大事なことはメモをとって確認し、わからないことや納得できないことは何度でも質問する。これが説明を聞くときの基本です。手術の説明など専門的な内容は、その場で一度聞いたくらいではなかなか理解できないものですね。このような場合には、テープレコーダーに録音するのもよい方法ですが、主治医へのエチケットとして録音する前に「私の誤解でご迷惑をおかけするようなことがあってはいけないので、後で説明を聞き直せるように録音させてください」というように一言、断るようにしましょう。

また、治療の見通しについても必ず説明を受けたいものです。先が長くても治療の見通しが立っていれば、不安にならずに自分が何をするべきかよくわかるからです。

医師との信頼関係を作り上げる努力をする
  • 誰にとっても「いい医師」というのは存在しません。それは、「いい医師」との関係は、あなた自身が作り上げていくものだからです。いったん主治医を決めたら、あなた自身も主治医とよりよい関係を築く努力が必要です。
  • たとえば、「あいさつをきちんとする」、「治してもらったらお礼を言う」、「他の病院に紹介してもらったら結果を報告する」など、一方通行でない関係が患者と医師のよい人間関係を作り上げていくのです。主治医と合うか合わないかは、あなたが判断するものであり、合わないと思えば病院や医師を替えてもいいのですが、その前の努力も忘れずに。そうでなければ、ただのドクタージプシーになってしまいます。
病院や医師を選択する目を養う

「どこかにいい病院がないかな? どこかに腕のいい先生はいないかな?」と情報を待っているだけでは「いい病院・いい医師」にめぐり合うことはできません。

また、一つの情報だけを鵜呑みにするのも危険です。要は、あなた自身が納得のできる自分なりのものさしを持ち、病院や診療所、医師を選択する目を養うことが大切です。大病しないうちに、いろいろな診療所に出かけ、さまざまなタイプの医師と出会い、自分にとっての「いい病院・いい医師の条件」をもう一度、考えてみることも重要でしょう。

かかりつけ医・かかりつけ薬局を持つ
「かかりつけ医」を持つことのメリットはいろいろありますが、たとえば急に具合が悪くなったとき、患者が自己判断して受診すると間違った診療科を選択し、二度手間になってしまう場合もあります。しかし、かかりつけ医に相談すれば、何科を受診すればいいのか的確に教えてくれますし、必要に応じて紹介状を書いてもらえば、スムーズに大病院の専門医にかかることもできます。
医療機関の機能分化政策(初期診療は診療所、専門医療は中核病院)が推進される中、ますます大病院にはかかりにくくなっているのが現状です。いざというときに慌てないためにも、これからは自宅の近くに「かかりつけ医」を持っておくことが患者力をアップさせるポイントの一つです。
同様に、処方された薬を調剤してもらう「かかりつけ薬局」も決めておきたいもの。とくに何種類もの薬を飲んでいる人や長期間同じ薬を投与されている人は、飲み合わせや副作用が心配されるため、一つの薬局で管理してもらったほうが安心です。かかりつけ薬局の目安としては、通院する医療機関に近いといった利便性よりも、話をよく聞いてくれ、患者さんが知りたい薬の情報を的確に提供してくれる薬局を選んだほうがよいでしょう。
緊急時の対応を身につける

真夜中の病気や突然の大ケガ、こんなときに慌てないためにも、ふだんから地域の救急病院がどこなのかをきちんと調べておきましょう。

また、自治体が配布する広報紙には休日に当番制で診療してくれる医療機関の情報が掲載されていますのでこれも要チェックです。

ただし、診療所では風邪や腹痛などの軽い症状にしか対応できないことが多く、重症の場合は救急車を呼んで適切な救急病院に運んでもらったほうがいいでしょう。

ちなみに救急車を呼ぶ目安としては、 発作的に倒れ、呼吸が乱れたりするなど突然の発病や容態の急変がある、激しい頭部打撲や大量の出血、屋外での事故、歩くことができない、いつもとは違った痛みが急に起こったとき、などがあげられます。近年は救急車をタクシー代わりに使う人が多く問題になっていますが、救急車を呼ぶのは「緊急性がある場合」のみにしましょう。

医療制度の仕組みを知る
ここ数年、医療制度改革が急ピッチで進められています。たとえば、都道府県が策定する地域医療計画(2次医療圏ごとの医療提供体制にかかわる計画と医療機関情報などを盛り込んだ医療行政の基本計画)には、次回から患者や住民の意見を盛り込むことが義務づけられており、私たちも自分たちの問題として医療に関心を持つことが求められています。このような時代の流れの中で重要になってくるのは医療制度の知識です。医療の仕組みがどうなっているのか、この先にどのようなことが変わっていくのか、アウトラインだけでも知っていたほうが、医療機関を選択するときにも適切な選び方ができますし、納得のできる治療を受けることにもつながります。

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